花魂 HANADAMA

花魂 HANADAMA
花とやもり チラシ

2010年8月31日火曜日

明日は上野雄次さんと打ち合わせ、ボッサにて *8.31記

「花魂 HANADAMA」で私は何をするのか?
方針は決まっていますが、より具体的に打ち合わせます。
阿佐ケ谷駅前のバーガーキングで、そのための原稿を書いています。
ここは、電源があるので、コンピュータを使うのに便利です。

先日、8月29日に書きました、「花魂」が私にとって何であるのかに、ひとつ、加えます。

8) 不特定多数を対象にする場で、初めて他人の詩を詠む機会になります。
古典を詠むであろうことをさしています。

(以下、続稿)

記録と記憶 *8.31記

『能のドラマツルギー 友枝喜久夫仕舞百番日記』を角川ソフィア文庫で買いました。著者は渡辺保です。先日、観世寿夫の『心より心に伝ふる花』を買いまして、その袖に、関連書籍として紹介されていたのです。
渡辺氏が、友枝喜久夫の仕舞に立ち合い、その印象を次々に記していったもので、何年くらいかけたかわかりませんが、友枝喜久夫論になっており、謡曲の解説にもなっており、なかなか刺激的です。
上野さんの花を、花いけに立ち合って、このように記してゆくのもいいと思いました。先日、「花魂 HANADAMA」のチラシを置かせてもらいに行った古書店で、その主人が、上野さんの花いけを見たことがあるといい、それは茨城かどこかで行われた、筏を使ったものであったといいました。同様のことを、そう、青山のギャラリーの方から聞いたことがありますので、皆さんの記憶に、どこか残っているのだなと思ったのです。
「上野雄次花いけ百番日記」。意味のないことではないはずです。



「花魂 HANADAMA」で何をどう詠むか。考えています。「友枝喜久夫仕舞百番日記」も、その手がかりを得たい思いで購入したのです。

どう詠みますか? *8.31記

ねかはくは 花のしたにて 春しなん そのきさらきの もちつきのころ

西行の歌です。「山家集」に載っている、あまりにも有名な歌です。花の歌の、代表作といっていいでしょう。
「そのきさらきの もちつきのころ」とは、釈迦入滅の時期をさすといいます。そのころに死ぬのが西行の理想だった。だから、わざわざ「その」をつけています。実際に、彼はその時期に死んだそうです。
この歌だけを読んでも、本当に意味するところは、私にはわかりません。
こういう表現は、あまり好きではないのです。背景にいろいろあって、それを知らなければ、作品を味わえないというのは。
私には教養主義に感じられます。
古典にはそういうものが多いようです。だから、教養人が、古典を好むのでしょうか。
素直に読んで正しく感じられる作品。そういったものを作りたいと思います。

ただ、釈迦入滅と限定せず、人にはさまざまな「その」があるのだから、詠む人の「その」、思いをそこにこめていい、というなら話は別です。つまり、作り手と詠み手の違い。さらに、読み手と詠み手の違いもあります。詠み手は自分を出します。詩唱者です。読み手、ここでは鑑賞者をさしますが、その人は、作り手の心を探ろうとします。私は、詩唱者です。

そのような、自分を出す詩唱が、できないでしょうか? 古典に対して。
現代短歌を詠みたい気がしますが、古典でじゅうぶんであり、じゅうぶん過ぎるほどです。古典を現代人として鑑賞する、現代人が鑑賞できる古典にする。それができるかどうかが、詠み手の力だと思います。

願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ

どう、詠めますか? (これは私への問いかけです)

2010年8月30日月曜日

日々花いけ.2 *8.30記


笹の葉を、石と一緒にいけてみました。
この作品がそうだというのではありませんが、スケールのある表現をめざしています。
それは、詩でも散文でも、詩唱でも。
こじんまりとまとまってしまうのが、私の表現としては、いちばんよくないと思います。

チラシを入稿しました *8.30記

「花魂 HANDAMA」の本チラシを入稿します。
上野さん分、〈art-Link2010〉事務局分を含めて900枚、印刷します。
〈art - Link2010〉事務局から、マスコミ向けの発送が、今度の日曜日、13時30分から行われるので、土曜日中に、チラシが私の手元に届いていればいいわけです。
kinko'sの西新宿店に行って最終の版下作成作業をし、近くのジョナサンから印刷屋にオンライン入稿し。
いつもと変わらない作業です。
自分で印刷所を持てたらと、いつも思います。

「花骸 -はなむくろ-」新篇書き始めました *8.30記

上野雄次さんの花いけに触発された詩を書き始めました。
「花骸-はなむくろ-」の続篇ですが、新篇としておきます。
書き出しは、このようになっています。
完成作では変わるかもしれません。
そして、「花魂 HANADAMA」では、即興詩唱として詠まれますから、
このとおりの形を、本番での完成品にはしないと思います。
何らかの、その時の感覚が、作品を変化させます。
そして、『花骸 -はなむくろ-』というからには、
初演どおり、「ヤマビル」の声を、また発声したいと思います。
意味だけを伝えようとするのではないということ。
そこには、即興性が、少しでもあるということを、私としては明記したいと思います。

(書き始め)
蝶が舞う道に
駆け抜ける蜥蜴(とかげ)の残像
蟬たちは空を向いて腕を折り
屍をさらす夏の日

この道はもう
何度も歩いてきた
学生時代から繰り返して
記憶に残る
後ろ姿だけの人々
追い越されて
どこに行こうとする
誰なのか
知らない人の背中を見送っている
葉陰に隠れ
樹の向こうに隠れて
その人の姿は見えなくなった
(つづく)

「ヤマビル」のこと *8.29深夜記

上野雄次さんと共演した舞台に、橘川琢さん作曲の『花骸 -はなむくろ-』があります。
四つの詩を結び、やがて時代が見えてくるという詩です。特に初めの連は、はっきり、泉鏡花の『高野聖』を意識しました。「ヤマビル」も出てきます。この『花骸-はなむくろ-』も、手がかりになりそうです。

2010年8月29日日曜日

twitter始めました *8月29日記

しかし、使い方がよくわかっていません。
以前作って、半年間、何もせず、何人かにフォローしていただいていましたが、どう返していいかわかりません。
返す必要もなく、つぶやくだけでいいのでしょうか?
ともかく、使っていきます。そして、慣れていきます。

日々花いけ.1 *8.29記


本番まで、毎日、花いけをします。
しかし、これができたからといって、即興詩唱がうまくいくわけではありません。
表現としては、まったく関係のないことです。
気持ちです。花道家と一緒に表現をする。そこに、自分の気持ちを集中させていきたいのです。
第一回の花は、八重向日葵(やえひまわり)です。
器は、今日、元麻布の、さる山で拝見した、喜多村光史さんの水盤です。
これを毎日用いて、苔がそこに置かれているだけでよい、そんな、私なりの花いけをします。



なぜ、花いけをしようと思ったか。
さる山の、大きさからいえば小さな水盤に生けられた上野さんの花を見て、これは高野聖だと思いました。
それ自体は小さいのですが、そこに奥行きと深さがありました。
高野聖の、「ヤマビル」がぼたぼた落ちてくる、飛騨山中を想い浮かべました。
久々に、上野さんの花を見て、詩を書きたいと思いました。
ここしばらく、共演者としての意識が先に立っていたので、客観的になれなかったのです。
詩を書きます。
そして、花いけを同時にしようと思いました。

「ヤマビル」発生 *8.29記



注意

この付近では、写真のような
「ヤマビル」が発生することが
ありますので、ご注意下さい。
千代田区道路公園課

市ケ谷の土手を歩いていて、こんな、表示を見つけました。
泉鏡花の『高野聖』そのままです。飛騨の山中をゆく高野聖の頭や背中に、ぼたぼたぼたぼた、山蛭が降ってきます。
JR市ケ谷駅に近い、お堀に沿った土手です。東京の真ん中で「ヤマビル」の文字を見ようとは思いませんでした。
しかし、写真でもわかるように、緑がそれなりに深く、手つかずの印象で、「ヤマビル」が発生しても不思議ではありません。
この印象を、「花魂」に生かせないかと思いました。

2010年8月28日土曜日

「花魂」と私 *8.29記

上野雄次さんのお考えは別にあると思います。
私自身の、「花魂」への考えを綴ります。まず、メモとして。

1)木部与巴仁が試みる、初めての即興であること。

2)上野雄次さんと、初めて一対一で向き合うこと。

3)花をテーマに、初めて一人で舞台で表現すること。

4)「声と音の会」以外で、初めてボッサで公演すること。

5)初めて、楽器をまったく伴わず、作曲家とも一緒に行わない会になること。

6)初めて、木部与巴仁以外の人の文章を募り、これをもとに表現すること。

7)毎日、初めてパフォーマンスをすること。



「花魂」のチラシを、以下に置かせていただきました。

cafe 谷中ボッサ(谷中)

古書 信天翁

古書 ほうろう(千駄木)

「花魂」まで1か月 *8.28記

●本番まで1か月となりました。〈初日は9月29日水曜日です〉心覚えのため、あるいは考えを進めるため、文章を書き続けます。

昨日、ブログに掲示してあるチラシを作成し、上野雄次さんに届けました。
上野さんは、昨日は初日の展覧会で、麻布十番にいました。
ご案内のメールを引用します。



上野雄次(花道家) 喜多村光史(陶芸家)
「皿と盤」

喜多村光史は、上野雄次からの提案を受け、上野が「はな」を入れる皿と盤をつくることを試みます。
皆様のご来場を心よりお待ちしております。

8月27日(金)、28日(土)、29日(日)
13時-18時

さる山
港区元麻布3丁目12-46 和光マンション101
03-3401-5935
大江戸線/南北線
麻布十番駅より徒歩5分