花魂 HANADAMA

花魂 HANADAMA
花とやもり チラシ

2011年8月2日火曜日

花とやもり 写真〈フォトグラム〉に夢見る

横滑ナナ 舞踏
上野雄次 花いけ
木部与巴仁 詩唱
西村陽一郎 写真〈フォトグラム〉

会場:美學校
東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル3F
2011年8月26日(Fri.)19時半開演(19時15分開場)
予約・前売2000円 当日2500円 学生1000円
予約・問合 070-5563-3480(木部)
*協力;美學校/大森政秀

「花とやもり」ができるまで

人の形をフォトグラムで撮る。それに花の形が加えられる。「花とやもり」は、美學校が主催する2011年4月の催しをきっかけに発想された。文房堂ギャラリーで行なわれた「松蔭浩之×西村陽一郎『写真』」展に、西村のフォトグラム2点、「海士」と「ikaros」が出品された。特に「ikaros」を見て、落下する人と写りこんだ鳥の羽が、もしも花ならどうだろうか、と考えた。脳裡を走ったのは、花道家、上野雄次の姿である。上野のドラマチックな花いけは、瞬間をとらえる写真表現にふさわしい。モデルは男性にして木部がつとめる。「海士」も「ikaros」も、女性だからだ。フォトグラム、花いけ、男性の形。三者のコラボレーションによるスタジオ作品として相談を始めたが、すぐに、これは密室作業ではなくライヴこそふさわしいと結論づく。さらに西村からモデルを男女にできないかと提案があり、それならば人の形を創造するダンサーがよい、女性舞踏手を探すことになった。そうして現われたのが、横滑ナナである。四者のライヴ・パフォーマンスはこうして生まれた。なお、木部によって詩唱(朗読)される詩は、『花の記憶』『死の花』『祝いの花』である。美學校と、舞踏家・大森政秀氏のご協力に感謝します。〈K〉

フォトグラムとは
一般に、フォトグラムとは、カメラやレンズを使用せず、印画紙上に直接物体を置いて光を当て、その時にできた影を定着させた画のこと、またはその技法をいいます。フォトグラムのフォトは「光」、グラムは「書かれたもの」を意味します。子供のころに遊んだ「日光写真」や「影絵」を思い出してもらえればいいでしょう。ただ実際には、写真用に作られた感光性の非常に高い印画紙やフィルムなどを使い、露光後には現像作業もしなければならないので、暗室での制作になります。カメラを使う写真は外に出て-光の中に小さな闇を持ちこんで-撮りますが、フォトグラムは内に入って-闇に光を持ちこんで-撮る面白さがあります。それは、いわばカメラの中に入るような行為でもあります。モノクロ写真の感光材料は、光を当てて現像すると黒く変化する性質を持っています。その性質には光の量が多いと黒が濃く、少ないと薄くなる法則があるため、物が光を干渉(反射、吸収、透過、遮蔽など)し、感光材上に落ちる光と影の中に微妙な明暗の差が生じると、それがそのまま白と黒の間を繋ぐ豊かな階調に置き換えられます。ただ、明るい所が黒く(暗く)、暗い所が白く(明るく)なるわけですから、できあがりの画は実際とは明暗が逆転したもの(ネガ)になります。フォトグラムはその光学、光化学的な原理をシンプルに利用した「光の画」であり、最も純粋な写真的現象であるといえます。(N)

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