ワンピースを着て登場しました。思い入れとしては、ボッサを訪れた女、です。その店の天井に、蓮の葉が見えた。そして語り出される、太宰治の『斜陽』。田中修一さんが、花の詩文として、寄せてくれました。女は、『斜陽』の人物です。
断片のひとつは、約30分経ったころ、天井から落ちて来た蓮の葉を私が垂直にくわえ、あえていうなら、人間生け花のようになって、くわえたまま『斜陽』の一節を詠んでいる場面です。
二つ目は、40分経つころでしょうか、仰向けになった私と、上野さんがどういうことをしたかわかる場面。ボッサじゅうに、赤い糸がはりめぐらされています。
『斜陽』の詩唱に加えて、初日に詠んだ、于良史『春山夜月』の「掬水月在手(水を掬すれば月 手に在り)弄花香満衣(花を弄すれば香は衣に満つ)」を即興で歌いました。歌詩は、「水をすくえば月は手にあり 花をもてあそべば香りは衣に満ちる」と、わかりやすい現代日本語にしました。最初の「手にあり」は「手にある」でもいいかもしれません。
歌は、甘くなりそうだったので、初日には歌いませんでした。初日に歌えればよかったのですが。
上野雄次さんの赤い糸を、たくさんの人に見ていただきたかったと思います。特に私の左足にからみましたが、あれで倒れたら、どうなったでしょうか。壁のレールにひっかけてあったので、レールが壊れてしまったかもしれません。動きながらそっと確かめて、その上で倒れればよかったかもしれません。糸の扱いも、倒れるだけでなく、自分からからんでいくとか、いろいろできたと思います。終わってみれば、反省があります。
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