「花魂 HANADAMA」初日の断片映像です。まず、開始23分が経ったころと、最後の場面、49分から上野さんが先に出て行くまでです。
全体に真っ暗で、明かりは、床の盛り土に隠された僅かなものしかありません。上野さんは、その電球の上に土をかけ続けました。立ち上る煙は、電球の明かりに土が熱せられてのものです。
私は、初めの場面では、西行の「ねかわくは 花のしたにて春死なん そのきさらきのもちつきのころ」を詠んでいるのですが、盛り土の中に顔をつっこんでいるため、映像からは、ほとんど聴こえません。ただ、前後では、はっきり詠んでいますから、会場の方にはご理解いただけたと思います。
また二つ目は、床に仰向けになった私が思い切り手を伸ばし、天井からぶら下がっている蓮の実にかすかに触れ、前に倒れます。ここも何をいっているのかわかりません。結果的に、死にたいのに死ねず、生きながら死んでいる、死にながら生きていると、西行が悟る場面となりました。天井の蓮と、彼の心境が不思議に重なった終幕です。倒れ伏した私は、やはり「ねかわくは 花のしたにて春死なん そのきさらきのもちつきのころ」とつぶやきました。
私はどうやら、「花のもとにて」と詠んだようです。『山家集』では「した」、『続古今和歌集』では「もと」となります。
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